南信州の和紙文化を体験!~紙漉きと水引体験、文七元結、阿島傘の伝承を追う~(1/29)催行報告
令和5年1月29日(日)に、「南信州の和紙文化を体験!~紙漉きと水引体験、文七元結、阿島傘の伝承を追う~」が催行されました。
大変寒い中ではありましたが、天気に恵まれ、紙漉き、水引、元結、阿島傘など南信州の大事な資源を紙漉き体験、水引づくり体験などの体験や、こうした伝統工芸の伝承に取り組まれている地元の方のお話をお聞きしながら、一日和紙文化に触れる旅になりました。
まず最初は、飯田市下久堅にある「下久堅ふれあい伝承館」にて、「ひさかた和紙の会」の方々の指導で紙漉き体験をしました。実演をしていただき、イメージを膨らませて紙漉きを行いました。漉上げた和紙は、乾燥のため水分を飛ばす機会に貼りつけて乾かします。水引づくりの後には、乾燥し仕上がった和紙をビニールに包んでいただき、お持ち帰りになりました。
紙漉き体験に続いて、同じ会場で関島水引さんにご指導いただき、淡路結び、ちょう結び、梅などの水引を作りました。なかなか細かい作業ですが、関島さんの親切な指導により、皆さん熱心に根気強く作りました。とても皆さんのお上手で、最後はとてもきれいな水引作品となり、良い思い出になりました。
午前の体験の後、飯田市座光寺にあるうなぎ料理の人気店「うなぎや」にて、うな丼とアルプスサーモン丼を堪能しました。事前に希望をとって選んでいただきました。うな丼もボリューム満点でとても美味しかったですが、アルプスサーモン丼もとても手間のかかった料理でとても見た目も素晴らしく、また美味しかったです。
和紙を使った伝統工芸「阿島傘」。喬木村阿島にある旗本知久氏の茶室「曙月庵」にて、地元で阿島傘の伝承に取り組んでいる「阿島傘の会」の皆さんから、茶室内にライトアップなどで展示した阿島傘を見学しながら、阿島傘の構造や種類、歴史など詳しいお話をお聞きしました。技術の継承は大変ですが、是非南信州を代表するこの素晴らしい伝統工芸を継承しながら、その素晴らしさを内外に情報発信していければと思います。
江戸時代以降、箕瀬(飯田市)は、飯田元結の本場として、飯田藩の足軽が多く住み、元結の生産が盛んでした。地元の歴史に大変詳しい今村さんの案内で、元結や三州街道沿いの飯田城下町の入口として栄えた箕瀬を散策しました。箕瀬からは、多くの著名人も生まれており、そうした人々の話やかつて「歌舞伎座」があった話、飯田城の外堀など様々なお話を聞きました。
和紙は、本美濃紙(岐阜県)、石州半紙(島根県)、細川紙(埼玉県)が数年前に「ユネスコ無形文化遺産」に登録されるなど、日本の古よりの生活に根付いた伝統の技、工芸品としてその価値が近年見直されています。南信州には、そうした和紙に関わるひさかた和紙(紙漉き)、飯田水引、飯田元結、阿島傘など豊富で、多様な和紙文化があります。こうした和紙文化は、日本の古き佳き時代へのノスタルジーを感じ、日本人の生活の知恵や暮らしに触れる大変貴重なコンテンツだと思います。
是非、今後も「南信州の和紙文化」とテーマにしたツアーを企画、実施していきたいと思います。
今回は、多くの方にご参加いただき誠にありがとうございました。
byゆっきー