武田信玄狼煙リレー見学と“知久氏発祥の地”箕輪町を訪ねる (10/30)催行報告
武田信玄狼煙リレー見学と“知久氏発祥の地”箕輪町を訪ねる(10/30)
「期間限定」に関するレポート
令和3年10月30日(土)に、”南信州ふるさと再発見の旅”「 武田信玄狼煙リレー見学と“知久氏発祥の地”箕輪町を訪ねる」が催行されました。
毎年、8月下旬の日曜日に伊那谷を舞台に行われる「武田信玄狼煙リレー」。今年は、武田信玄生誕500年を記念して、根羽村の杣路峠からスタートし、伊那谷を北上、辰野、塩尻を経由して、諏訪から八ヶ岳の麓、そして甲府市の武田神社まで初めてリレーしました。ツアーでは、多くの地点で見学することはできないため、数か所の狼煙上げを見学できる「神之峰城跡」での狼煙上げを見学し、各所で上がる狼煙上げの煙を見学しました。また、神之峰城跡での狼煙上げ見学のため、神之峰城主・知久氏発祥の地である箕輪町の上ノ平城跡や福与城跡を見学しました。
実際の戦国時代の狼煙上げがどういったものであったかは謎ですが、戦国時代に想いを馳せ、体験できるとても興味深いイベントで、皆さんお楽しみいただけたのではないでしょうか。
狼煙リレーに先立って、狼煙に詳しい講師の先生から狼煙について詳しいお話を聞きました。中国古代のレンガ造りの狼煙台、狼の糞を一緒に交えて燃やせば真っすぐ煙が上がると考えられ、そこから「狼煙」の名前が生まれた話など興味深い話を伺いました。
地元の上久堅地区で知久氏に大変詳しい方の案内で城跡を巡りました。寄贈された武田軍による神之峰城攻めの絵画(池上典氏作)も見せていただき、武田軍による神之峰城攻めについて想いを馳せました。
いよいよ狼煙上げです。11時に根羽村の杣路峠をスタートに狼煙上げが始まります。少し遠いながら、水晶山(三穂)と城山(山本)の狼煙が良く見えました。それを合図に、ここ神之峰城跡でも準備した狼煙台(杉葉など)に上久堅小学校の2人の児童が点火し、白い煙が上がりました。遠くに目をこらすと、極楽峠(下條村)で真っすぐ上がる狼煙上げが見え、またもっと遠くに蛇峠(阿智村)で上げた狼煙が、鉄塔が乱立する近くにかすかに見えました。他に南方面に大きな煙が上がっており、泰阜村のアイパークか、または下條村の足畑山狼煙台跡か分かりにくいですが良く見えました。また下方に山影から立ち登る煙が見え、恐らく位置関係から兎城跡(龍江)での狼煙上げと思われます。
北方面では、喬木村の富田城か加々須茶臼山、また豊丘村の林原運動公園での狼煙が確認できました。そして陣馬形山(中川村)の狼煙も小さくではありますが確認できました。ただ、高森町の吉田城山、吉田古城、また松川町の台城(伊那大島城)の狼煙は確認できませんでした。それでも天候に恵まれ、前日のような強風もなく、遠くは蛇峠(浪合)から陣馬形山(中川村)までの狼煙を見ることができ、ツアーに参加された皆さん、歓声を上げながら大変喜んでおられました。天気に左右されるイベントですが、歴史浪漫に触れながら、貴重な体験ができるイベントで、今後も狼煙上げツアーを続けていきたいと思います。
地元のお母さんたち「十三の郷」さんによる手作りの美味しいお弁当を賞味した後、三遠南信自動車道、中央自動車道を経由して、伊那谷を北上し、箕輪町に向かいました。
知久氏は、飯田市の知久平や神之峰城を中心に竜東に大きな勢力を広げましたが、平安時代末から鎌倉初期にかけて、元々は蕗原庄(現在の箕輪町)に土着した一族で、今回訪れた「上ノ平城跡」を居城としたと伝えられます。今回、地元の大変詳しい方から、この地に勢力を広げた知久氏について貴重なお話を伺いました。
平安末から鎌倉時代初期に知久氏の祈願寺であった日輪寺を訪ねました。今は、住職がいない寺ですが、若い方が寺の建物を有効に活用されています。ここでも地元の方から熱心で詳しいお話をお聞きしました。
知久氏とは直接係わりはありませんが、箕輪町にあるもう一つの城跡「福与城跡」を地元の方の案内で見学しました。藤澤氏の居城で武田信玄と戦い落城した城ですが、巨大な堀や切岸で守られた堅固な城でした。
今回は、武田信玄狼煙リレーの見学と知久氏の発祥の地を訪ねるツアーでしたが、天気に恵まれ、神之峰城跡からは各所で上がる狼煙リレーをしっかり見ることができました。神之峰城跡での狼煙上げの様子も見学でき、とても興味深い内容になったのではないかと思います。来年以降も武田信玄狼煙リレーは継続されていくと思います。歴史浪漫を感じるとても良いイベントだと思いますので、今後、飯田市の鈴岡城跡や松尾城跡など、狼煙上げの場所が増えていくととても良いのではないかと思います。
今回は、多くの方にご参加いただき大変ありがとうございました。
Staff ゆっきー