■伊那谷(小川)と遠山地方(程野)を結ぶ16kmの龍東索道
道路の開設や橋の架設が難しい地域では物資の輸送に索道(ロープウェイ)が活躍。
薪や木炭を町へ米や塩などを村へと生活物資が急な山間を行き来したのでしょう。
山間地域との物資輸送に活躍した索道も飯田線の開通や道路の整備などにより
s16.12に廃止された。(HP 「遠山谷の民俗」より)
ただ乗りアクシデント秘話~ 物資と一緒に乗ったところ悪天候のため途中でストップし、
宙ぶらりんの状態で過ごす羽目となったお話を講師の先生よりお聞きする。(笑)
■中央構造線の断層変異地形を見る。
方位を確認し講師の先生に用意していただいた資料の等高線図を見ながら
説明を受ける。
■地滑り地形と雨乞い信仰~中郷のお池
何かに誘導されていたのか~~ふかふかの腐葉土を踏みしめ、しばらく降りて行く。
木立の中に白い層が帯状に現れた。まるでスクリーントーンを張ったように・・・。
最初、池だと気付かなかった。
水には周りの樹木が映りこんでいたし、こんな場所に「池」を想像することができなかったからだ。
巨大な地すべりによって出来上がった池~お池。
水面にせり出した木の枝に白い泡の塊が付いていた。
モリアオガエルの卵だという。
水底にはぷっくらとしたおたまじゃくしがたくさん泳いでいた。
池の周りを見渡すと地色の変わっている一帯を発見。
昔炭焼きをした後だという。
近づいて枯葉の下を探ってみると小さな炭片が出てきた。
炭焼き地帯を通り過ぎた先に社があり雨乞い信仰の神が祀られていた。
神聖な空気に包まれているはずなのに、道路付近はごみ捨て場となって空き缶が散乱。
残念・・・・。今すぐ片付けた~い(泣)。
■お池山隕石クレーター(衝撃をうけた岩石内の石英にラメラが形成されている)
巨大岩の出現。およそ2~3万年前に小惑星が衝突した証拠を確認。
宇宙を想像するだけて気分が高揚。
ドキドキしてくる。世界中で180個の隕石クレータの
ひとつがここに存在しているのだ。
■下栗の里 ~TVCMでみたあの風景が目の前に~
ビューポイントまではこの絶景が少しも見えてはこない、到着後いきなり現れるのだ。
それもまた感動を呼ぶところだろう。そして、なぜか幸せな気分になったのは私だけだろうか。
この山奥の尾根に突如現れる集落「下栗の里」。
自然に抱かれ、自然の神々に護られ生きている人々に敬意を表したい。
しばし瞼と心に焼き付けた後、ビューポイントから実際の里へと向かった。
■民宿みやした 囲炉裏で炙る郷土食
二度芋を竹串にさした芋田楽、エゴマ味噌の風味がとても美味しかった。
~尾根を生活の基地としている人々までもが美しい・・。
■赤ナギの大栃
旱魃がつづく年は、御池大明神に出向き雨乞いの神事でご祈祷し、
お池の水をいただき、十五社から始め各神社に御水を上げ練り歩き、
最後は子安神社に御水を上げ桶に残った御水は御池に還すべきなのに
勢いの付いた人たちは、近くのナギに流してしまったところ、
次の日から降り出した雨は大雨となって降り続き山崩れとなって大荒れに荒れ、
「赤崩」となったが「大栃」は残りましたと。~~昔話として語り伝えられている~
急な足場の階段を下りていく。大きすぎる栃の木の存在感に圧倒された。
そして下に流れる沢の清涼感に包まれ思わず大きく深呼吸した。
■上村最奥の限界集落 大野 「ヒエダンゴ」の古木の前にて
かつて五穀の収穫が少ない年でも救荒食として人々の暮らしを護った雑穀の稗で、
ざらざらとしてあまり美味しさを楽しめる穀物でないそうだ。
晩秋になると小粒の団子状の果実が5~7個房状になって落下。
標準和名「ウラジロノキ」
集落奥の山腹の子安神社には、谷川でないと見ることのできない卵形の大きな石が
祀られているということだ。
大きな神社から小さなものまでたくさんの安産・子育ての神が点在する集落。
厳しい自然環境の中で生きていくためのよりどころだったに違いない。
■遠山川の災害 赤石大橋を渡り発電所を過ぎ、遠山川沿い森林鉄道跡近くの仏島
遠山川は大昔から大水害の多い川で、土石流を押し流して人々の暮らしを脅かしてきたに違いない。女の神様だという山ノ神が祀られていた。
この遠山谷で古代生活の遺物が発見された場所は地形的に安全性の高い場所であると
言えるらしい。
ジオパーク=地質遺産から宇宙ロマンまで読み取れることができるのだ。
今回の自然塾は過酷な地形とそこに暮らす人々のきびしい暮らしを垣間見ることができた。
~~~あらためて・・・自然に勝るものはないのだと教えられた~~~