■未踏の地へ
今回は鳥取県文化観光局様からのご依頼で、47都道府県で唯一訪ねたことの無かった鳥取県に
足を踏み入れることになりました。
前回の島根県に引き続いての中国地方での仕事となったわけですが、今回も移動日も含めると
2泊3日の行程となり、現地を見る時間も取ることができました。
今回はこれまでとは違い、南信州での体験型観光の取組みや、当社が設立された経緯についての
話よりも、“田舎らしいおもてなし”について、今後地域観光に関わってくる地元の人向けに
話をすることになっていました。
講演前の2時間程の時間で、県職員と若桜町職員の方々に先に町内をご案内いただいたのが
ありがたかったですね。
■幻のさば天うどん!?
若桜町では若桜鉄道の若桜駅構内にある手動転車台(機関車を動かす装置)とSLにスポットをあてた
企画によって、大手旅行代理店を通じてこの秋に1600人くらいの集客があったと役場の方に
聞きました。
「一体どんなところなのかな?」と思いながら、先ず案内していただいたのは、昔の庄屋だった
茅葺屋根の旧家(三百田家)でした。ここではただ見るだけではなく、田舎料理も食べられます。
次に幻の“さば天うどん”なるものをお昼にいただきました。
さばの天ぷらという言葉自体初めて耳にしましたが、ここ若桜町でのみ食べられていたそうです。
ところが数年前にさば天うどんを提供していた最後の店が閉店したために、正に幻となっていました。
今後の観光誘客の面からも復活させる動きが起こり、間もなく営業開始をするというお店で
食す機会を頂いたのです。
さば好きの自分としては、さば天丼にしたらどうかな?飯田でも提供する店が出来ないかな?と
いうくらい美味しいものでした。
■煩悩が108つの理由とは?
そこから今度は観光ガイドの方に歩いて市街地を案内していただいたのですが、
ご本人は謙遜しておりましたが、とても興味関心を持たせてくれるご案内でした。
カリヤ通りの軒下、防火対策や日々の生活を支えてきた市井の川の流れ、連蔵の景観、
食糧備蓄としての鯉と庶民の味方としての鯖、四苦八苦と煩悩の話等々様々な内容で飽きさせず
最後にお寺の鐘も撞かせてもらい、煩悩を打ち払わせてもらいました。
ちなみに4×9(四苦)=36、8×9(八苦)=72を足すと108つですね。
そして最後に今、若桜町で旬の観光の若桜駅の転車台をご案内いただきました。
土で埋まっていた転車台を掘り起こして活用しているそうです。手動で恐らく何十トンというSL機関車を動かすことができるのですから、昔の人の知恵は大したものです。
いずれにしても、街中散策と同時に味わうことができ、とても魅力のあるコースを体験できました。
■緊張の講演
最初にも書きましたが、今回は普段と趣向が違った“田舎らしいおもてなし”について中心に
話をすることになっていたので、図々しい私も少々緊張が先に立ちました。
いろいろな南信州での実践者の方についてのお話と、地域を愛し自分を見失わず相手に接する
心がけ等をお話したのですが、80分の受け持ち時間が終わった時は汗びっしょりでした。
中身としてはどうだったのか、皆さんの印象が少し気になりますね。
その後、電車の時間まで再び県職員の方にいくつか周辺の観光施設をご案内いただきました。
中でも鳥取藩主の参勤交代の最初の宿場町であった智頭町の石谷家住宅は、まさに一見の価値が
あります。
10年程前に町長自ら口説いて、一般公開に踏み切ったそうです。
色々な意味で、今回もまた自分にとっても良い経験となった鳥取県への出張講座でした。
関係者の皆様どうもありがとうございました。