大平宿と妻籠宿の民家建築の違いに技術伝承、集落形成の妙を知る(10/25)催行報告
令和6年10月25日(金)に「大平宿と妻籠宿の民家建築の違いに技術伝承、集落形成の妙を知る」が催行されました。大平宿と妻籠宿の「建築様式の違い」に注目することで、2つの宿場町の魅力に触れていただきたいと思い企画したツアーです。
大平宿に到着してまず向かったのは「からまつ屋」です。こちらで、長年大平宿の維持・管理を行ってくださっている広瀬秀一さんに、大平宿の歴史や人々の暮らし振りについてお話していただきました。大平宿は、宝暦4(1754)年から徐々に住人が増え、全盛期には70戸を超える賑わいを見せました。宿場町と林業による収入があり、山間部の集落としては比較的裕福な暮らしであったという話には、参加者の皆さんも驚いていました。
広瀬さんのお話の後、建築士の宮内智也さんに民家を一軒一軒案内していただき、各民家の建築様式や特徴について説明をしていただきました。
軒を広くするための工夫である「せがい造」をはじめ、「妻入り・平入り」といった戸口の向き、屋根の勾配や建物の構造など、「さすが専門家!」といった切り口から、非常にわかりやすく説明していただきました。先人たちの知恵に驚くとともに、多くの人が今日まで大平宿を残そうと尽力していることに感服させられました。
見学の後は、再びからまつ屋に戻り、大平宿とも関わりが深い五平餅を、汁物と一緒にご賞味いただきました。
大平宿を後にし、次の目的地である妻籠宿に向かいます。
こちらでも宮内さんから、町づくりや防火対策、本陣の位置など、大平宿と比較しながら妻籠宿の特徴についてご説明いただきました。
特に防火対策に関しては、妻籠宿は過去に何度も火災に見舞われたこともあり、「うだつ」をはじめとした様々な工夫を凝らしている様子が伺えました。また、道に沿って家々が建ち並ぶ景観には、大平宿とはまた一味違った趣を感じました。
参加者の皆さんも、興味深いお話を聞き逃さないよう耳を傾けていました。
最後に訪れた「川上屋」さんは、「栗きんとん」で有名な中津川市のお菓子屋さんで、参加者の皆さんもお土産に購入されていました。中津川市やお隣の恵那市は栗の生産が盛んで、栗きんとん以外にも栗を使った美味しそうなお菓子が並んでいました。
今回は大平宿と妻籠宿の「建築」に注目するツアーでしたがいかがだったでしょうか。環境や歴史などが建物に与える影響は少なくなく、建築様式の違いを見ていくことで、それぞれの宿場町の形成や人々の暮らしぶりの一端に触れていただけたのではないかと思います。また、大平宿では生活体験による保存活動も行っております。いろりの火にあたりながら、ゆったりとした時間を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。
最後になりますが今回ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
Staff あっき~