昨今の環境意識の高まりや石油燃料の高騰を受け、国内では自然エネルギーに
対する意識や関心が高まりつつあります。
飯田市は国内でも自然エネルギー・代替エネルギーを積極的に導入している地域の1つです。
今回は市内の自然エネルギー導入施設を巡るツアーに、遠くは石川県からも含め
20名の方々に参加いただきました。
参考情報1:第7回・日本の環境首都コンテスト総合3位/入賞(2007年度)
参考情報2:東京のNPO法人の視察レポート
参考情報3わが街こそ「環境モデル都市」、公募前に名乗り続々(読売新聞/リンク切れ)
※このツアーは飯田地球温暖化対策地域協議会・南信州観光公社の共同企画です。
市役所前の駐車場を出発した一行がまず向かったのは、飯田市の高台にある「風の学舎」です。
ここは太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーや、雨水を濾過して使う浄水タンクなど
多様な自然のエネルギーを組み合わせて過ごせる簡易宿泊施設です。
市内のNPOをはじめ多くの関係者が手弁当で設計・施工しているため、本館部分を除き、
現在も一部建設中です(宿泊利用は可能)。
NPOの担当者から建物の出来た経緯や現在の利用状況、今後の展開など説明してもらいました。
館内には手作りのかまどや太陽光発電状況を示すモニターがあったりと、
アナログとデジタルが混在している面白い施設です。
代表の方曰く「複数のエネルギーを組み合わせて使うことが、有事の際の
リスク分散になることを体験してほしい」とのことでした。
その後バスは飯田市の最南端・遠山郷地域に向かいます。
クルマで40分ほどの道中、車内では飯田市の環境アドバイザーによる
「飯田市および世界を取りまく温暖化の動向」について講義をしていただきました。
今回もっとも興味深かったのは、環境アドバイザーによるこの講義です。
面積の8割以上を森林に囲まれている飯田市でさえ、二酸化炭素の排出量が吸収量を
はるかに上回っていることに驚きました。
齢70歳を越えられても市内・国内および世界の環境問題に関心を持ち、講義できるまでに
理解されているのには頭が下がります。
彼もまた、南信州が誇れる現地ガイドの1人です。
バスは2番目の見学施設・かぐらの湯へ。地元の木材をふんだんにつかった日帰り温泉施設です。
この施設を訪れた目的は、業務用の大型ペレットボイラーの見学です。
さきほど使っていたシャワーのお湯が、化石エネルギーを使わずに供給されているのは驚きです。
ボイラー内の炎が、覗き窓からうかがえます。
また機器を納入された関西の業者さんから、詳しいお話しを伺いました。
大型ペレットボイラーを、商用利用の温泉施設に導入したのは国内初の事例だそうです。
すぐ横には、ペレットを供給する巨大なサイロも併設されていました。
3番目に訪れたのはかぐらの湯近所にある、行政の出先機関「南信濃自治振興センター」です。
ここは床暖房に井戸水を利用したヒートポンプを利用しており、センターの担当者から
説明してもらいました。
また、屋根と一体型のソーラーパネルを設置されている様子を見学しました。
ここでちょっと気分転換に、近くの街並みを散策。
水道を介さない自然エネルギー?の湧き水で喉を潤しました。
一行はその後、最後の見学施設・南信バイオマス協同組合へ。
ここは南信州地域にペレットを供給する一大生産工場です。
知ってそうで意外と知られていない「木質ペレット」という自然エネルギー燃料について
担当者の方の案内で、工場内部を見学しました。
ふだん人工エネルギーに囲まれてくらしていた自分にとっては、多様な自然エネルギーが
市内において、着々と実用化されているのが新鮮な驚きでした。
参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
staff:Oga&Gotti
【協力】
・NPO法人いいだ自然エネルギーネット山法師
・かぐらの湯
・株式会社ヒラカワダイナム
・南信濃自治振興センター
・南信バイオマス協同組合
・飯田地球温暖化対策地域協議会