インストラクター養成講座「南信州自然塾」が、3月15日(土)に開催されました。
今年度のテーマは「中馬道をさぐる」。今回は3回講座の最終回です。
午前中は公民館で座学を行い、午後からは街道の面影の残る上郷黒田の旧道を踏査しました。
午前中の座学では、幕末における天狗党の乱などの講義に続いて、
今年度のまとめとして受講者に感想などを発表していただきました。
それぞれの方の取り組みや地域の伝統文化に対する危惧など、
真摯なご意見を伺うことができました。
午後は、上郷黒田の栃ヶ洞に残る旧道から飯田城下に向かって歩きはじめました。
伊那街道沿いの薬師寺。黒松が見事でした。
旧道の中でも、もっとも古いと考えられる古道。
道幅は狭いですが、まっすぐな道が続いています。
この道が旧村における村境となっています。
飯田市の上郷黒田地区には、古い順に古道、伊那街道、上街道(県道)が
ほぼ平行に走っており、比較的旧道の道筋が残っているエリアです。
そのいずれもが直線的ですが、これらの上を行く形で現代の道、
中央自動車道がまっすぐに通っています。
伊那街道の庚申坂にて。庚申碑がいくつも並んでいます。
幕末に天狗党は、ここを過ぎた坂の途中から街道をそれて
飯田城下を迂回していったということです。
今年度は3回の講座を通じて「中馬道」に注目し、三州街道(伊那街道)を
中心に江戸時代の交易の道を学びました。さらに時代をさかのぼれば戦いの道となり、
岩村城、武節城、田峰城なども訪ねました。
「道」をたどることで史実がつながり、まさに点が線に、そして面になりいっそう理解が
深まった講座となりました。